施設の理念

当施設の理念は三つ、

1、入居者の自立を防がないことで健康寿命を伸ばす

2、災害時の安全を確保する

3、入居者と地域の方に愛される施設にする

です。

1、健康寿命を伸ばすには

私は父の跡を継ぎ海外でホテルと賃貸業を営んでおります。湾岸戦争、SARS、新型コロナなど厳しい状況もありましたがなんとか事業を継続することができております。

リタイヤした父は一人で暮らすことが好きで東京浅草寺裏の築50年のアパートにおりました。朝は浅草寺の境内で鳩に餌をやり、昼は蕎麦を茹で、夜は近隣に住む息子夫婦からの弁当の差し入れを食べ、悠々自適に過ごしておりました。

とはいえ80台後半になり、杖をついて歩くようになりました。古いアパートの階段は急で、万が一階段を踏み外した場合を考えると私たち子供は心配になり、南千住にある老人ホームに移っていただくことになりました。

施設のスタッフは皆親切でにこやか、入居した父からも不満は聞こえません。子供たちはほっとしたのですが、父はだんだん衰えが目立つようになり、車椅子に乗り、寝たきりになり、入居から8ヶ月で他界しました。

老人ホームでは食事、清掃、洗濯など身の回りのほとんどをしてくれます。今まで自活していた父にとっては楽極まりない生活が彼の健康寿命を縮めたのではないかと思いましたが、子供たちがそれを口にすることはありませんでした。

今年84歳になる母親は健在です。母を同じような施設に入れたくないし、健康で長生きしてほしいとの思いから高齢者向け施設を8年かけて建設、現在に至ります。

できることはなるべく自分ですることが大切と考えます。当施設の居室にはキッチンがあり、共有のキッチンもあります。小さな農園もあります。自炊して他の入居者とおかずを持ち寄ったり、農園で皆さんで育てた作物を食堂で調理することができます。ご依頼があれば食事も提供しますし、有料ですが居室の清掃や洗濯もしますが、入居者の健康寿命をを伸ばすことを第一に考えます。

2、災害時の安全対策

私は海外在住時に現地でマグニチュード8の地震を経験してから地震が怖くて仕方がありません。母が住む実家の墨田区は住宅密集地で海抜0メートル地帯、危惧されている大地震が起きた場合、アパートは崩壊しないのか、2キロ先の避難所まで火災に巻き込まれず辿り着けるのか、印西市に住む私は母の避難所まで辿り着けるのか、、考えたらキリがないので考えません。

当施設は企業のデータセンター銀座と言われる地域に立地しており、強固な地盤は施設建設前の調査でも立証済み、加えて建物は耐震性と防火性の高い鉄筋コンクリート造です。ソーラー蓄電システムを装備し、停電時には共有部分に電気を供給します。1週間分の水と食料を備蓄など、入居者と職員の安心と安全のため可能な限り大地震への対策をしております。

3、愛される施設とは

慣れない土地に越した際は知人も少ないし心細いですよね。介護福祉士を含めた我々職員はいつでもご相談にのりますが、一緒に趣味を楽しんだり、食事やお酒を楽しめる地元の友人ができれば暮らしに幅が広がります。感染症が収まりましたら食堂やライブラリーを地元の方にも利用していただけるようにします。施設のある戸神地域には昔からの農家の方や、子育て中のご家族など幅広い年代の方がお住まいです。入居者と地元の方々が共に食堂やライブラリーで語らい、素晴らしい自然を散策できるご友人となれますように、地元の方にもお集まりいただける施設にすべく感染症後の暮らしを計画しております。


山野井 誠

戸神ホームズ代表取締役